こんにちは、おしどり夫婦T&Aです。前回のブログでは、VAD留置時の特有合併症であるフォン・ヴィレブランドがなぜ起こるのか?について学習しました。ポイントは、sheer stressによりVWS(von Willebrand facter)の構造が変化してしまうことが原因でしたね。
まだ、チェックされていない方はアクセスをお願いします。
本日学習で学べること、目標は?
JMACSレジストリ:http://www.jpats.org/uploads/uploads/files/J-MACS%20Statistical%20Report%EF%BC%882010%E5%B9%B46%E6%9C%88-2019%E5%B9%B46%E6%9C%88%EF%BC%89.pdf
お断り
私の学習記録になっております。誤解を生むこともあるかも知れません。間違っていることを記載している場合はご指摘をお願いします。
神経機能障害の定義は?
定義:脳卒中(頭蓋内出血、塞栓症)けいれんなど
こちらの定義では、頭蓋内出血、梗塞に関しての程度(麻痺の有無)は記載がなく微小梗塞でも定義に当てはまると考えられます。まぁ、大小に関わらず梗塞は梗塞ですね。
神経機能障害が引きおこる率は?
JMACSレジストリでは、脳卒中、けいれん、無症状で分類されています。
すべて(Primary LVAD/BTB)360days 30%程
JMACSレジストリでは、非発生率を記載されているため、おしどり夫婦で発生率へ修正した結果、
神経機能障害 発生率 Primaey BTB上記図より、
PrimaryVADでは、360days 26%
BTB VADでは、360days 30%
非常に高い確率となっていますね。
脳卒中(Primary LVAD/BTB)360days 25%ほど
脳卒中とは?|NO!梗塞.net-脳梗塞ネット|脳梗塞の前兆から対策、診断、症状、治療など
JMACSでは、脳梗塞、脳出血(くも膜下出血)も含めすべて脳卒中でまとめられています。私見ですが、脳出血と脳梗塞を分けた図が見たかったと思います。まぁ、こちらの意見は置いておいてJMACSを確認していきましょう。では、発生率を確認していきましょう。PrimaryVADでは、360days 24%
BTB VADでは、
結果:神経学的障害の発生率とほぼ変わりがなさそうですね。こちらの結果が、くも膜下出血or脳梗塞or両方に分類されるのでしょう。
私の経験上でも、微小梗塞で入院する方はいらっしゃいます。前回のブログで学習した様にPT-INRが正常値範囲でもウォン・ヴィレブランドの異常により出血を来すことが明らかとなっています。
けいれん(Primary LVAD/BTB)
なぜ、JMACSレジストリでけいれんとしたのでしょうか?けいれんの原因は、脳梗塞や出血が起こってからけいれんが引き起こされることが多いと考えております。
【考えられる病気】
脳血管障害(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)、脳腫瘍 頭部外傷(脳挫傷を含める)、感染症(脳炎、髄膜炎、脳膿瘍など)特発性(真性)てんかん、症候性てんかん(脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷、感染症、脱髄疾患、先天奇形など)
【考えられる病気】
熱性痙攣、代謝性(低血糖、水・電解質異常)、中毒性(尿毒症、肝不全、鉛・水銀中毒など)、低酸素脳症など
この場合は、恐らくですがけいれんが起こった原因が分かっていない場合(原因不明)をカウントしていると考えられます。PrimaryVADでは、360days 2%
BTB VADでは、360days 5%
結果:発生率は脳卒中と比較し少なくなっていますね。
無症状(Primary LVAD/BTB)
無症状 発生率結果:無症状の神経学障害は、微小梗塞等でしょう。なぜ、カウントが出来ているのか?が個人的に気になります。たまたま撮影した頭部CTで梗塞が見つかった?などでしょうか。たまたま撮影した・・・?おいておきましょう。何か、分かる方がいらっしゃれば、コメントを宜しくお願いします。
神経機能障害が疑われる時の対応は?
- 頭部CTを撮影 出血が疑われるときは?
- ビタミンK製剤は中和に時間を要する
- PCC(乾燥濃縮人プロトロンビン複合体製剤の投与)ケイセントラ(保険対象外)
- 凝固第Ⅸ因子複合体製剤(PP-SB)投与(保険対象外)
- PT-INR1.3~1.5以下に正常化することを推奨