おしどり夫婦T&A

そこら辺にいる医療者×投資×読書×早起き×ブログ大好き人間

【インペラの看護】IMPELLA留置中の看護や観察ポイントは?モーター波形、位置波形、パージ液にブドウ糖を使用する理由は

こんにちは、インペラIMPELLAを留置することが多くなってきているのではないでしょうか?

先輩、インペラの合併症ってなんですか?心配で・・・

自分で調べて

はい・・・・

こちらのブログでは、インペラを診たことがない、若手の方を対象にインペラの看護の方法についてご紹介します。
f:id:cannondalecaddblog:20210505164252p:plain
前回のブログでは、インペラの留置件数や費用について記載しました。まだ、御覧になっていない方はアクセスをお願いします。
www.xn--xck3a0aq6hnc9eydz514duksd.tokyo



本日学習で学べること、目標は?
インペラの看護、観察ポイントを知る

インペラの看護 impella care

インペラを管理している看護師の方がなにをみているのか?
引継ぎ時、勤務中に分けて考えて行きましょう!

引継ぎ時

インペラの留置cmや固定されているか引継ぎ時に確認しよう!!

f:id:cannondalecaddblog:20210505113737p:plain
インペラの看護
①ナートされているか?

青羽はナートされていますか?ナートされていないと、インペラが抜けてくるかもしれません。

②深度マーカーでcmを確認

スリーブ内にインペラが留置されているcmが記載されています。
画像では見にくいです。
インペラは簡単にcmが変更できてしまうので注意です。

インペラの留置用シースの固定リングが閉まっているか?

緑で示した箇所です。こちらは固定リングと言います。
固定リングを回すことで、インペラを緩めること固定することができます。
ちなみに、インペラの位置は定期的に変更することがあるため、基本的にはここをテープ固定しないようにして下さいね。

カテーテルの折れ曲がりがないか、接続部から薬液の漏れがないか

どの医療機器も同様ですね。説明は省きます。

勤務中

刺入部から出血をしていないか確認

f:id:cannondalecaddblog:20210505114733p:plain
インペラの看護 impella

ヘパリンを投与しなければならないため刺入部からの出血が多いです。。

※ACT、INR、Hb低下の有無等を確認し、ガーゼ交換やDrへ報告しましょう!!

インペラ留置中の安静度は?理由は?

鼠径から留置されている場合
➡30度ギャッジupまで

理由➡
刺入部からの出血やカテーテルの屈曲、血管損傷のリスクがあるため

足背・後脛骨動脈の触知はできるか?

ECMOやIABPの同様です。動脈からカテーテルを留置していきます。インペラ2.5では、9Frの太さです。
1Fr:0.3mm 9Fr=2.7mm

触知困難の場合は?どう対応する?

①足趾の色調は?暗紫色(あんししょく)?
②冷感?
③ドプラーで聴取可能??
④後脛骨部、足背動脈どっちが無理?
⑤膝下動脈は?

私は以下の5点は確認しDr報告

触知、聴取困難だとどうなるか?

壊死します。
www.xn--xck3a0aq6hnc9eydz514duksd.tokyo

尿の性状は?溶血していないか?

なぜ、尿の性状を確認しなければならないでしょうか??
ECMOでも同様ですが、ポンプが回転することで溶血するリスクが高いからです。
溶血したら何か影響が起こるのでしょうか?
結論は、腎臓機能が増悪します。
カニズムは下記参照とします。
https://www.jbpo.or.jp/med/di/include/hap/data/effect_hap.pdf

モニタリング

位置波形、モーター波形、パージ圧は正常か?

f:id:cannondalecaddblog:20210505160833p:plain
インペラ 位置波形 アビオメッド参照

※アビオメッド社作成のパンプレットより画像を頂きました。
位置波形:上行大動脈の波形となります。
大動脈弁が閉まると圧が下がり、大動脈弁が開くと圧が上がるイメージ!

モーター波形

パルス状の波形!!大動脈弁が閉まると圧が上がり、大動脈弁が空くと圧が下がります。

パージ圧
f:id:cannondalecaddblog:20210505161904p:plain
インペラの看護

※パージ圧とは・・・
モーター内に血液が流入しないようにブドウ糖を流すことで、血液の混入を防ぐ作用があります。

パージ液にブドウ糖を使用する理由は?

生理食塩水を利用してしまうと、モーターが腐食する危険性があるためです。
また、パージ液にはヘパリンを混注します。Drへヘパリン濃度を確認しましょう。

インペラ留置中のACTは?160-180秒

医師の指示によりACTを測定する。
ACT160秒以下➡凝固リスクあり、ヘパリン投与量を増加
ACT180秒以上➡出血リスクあり、ヘパリン投与量を減少

さいごに

本日は、インペラ留置中の看護について記載してみました。
こちらは、私が看護する上で大切にしていることであり全てではないとは考えられます。
なにか、ご意見を頂ければ幸いです。

次回は、正しモーター波形、位置波形、異常波形の理由について学習していきます。