こんにちは、T &Aです。本日は、専門的な医療のお話。
大動脈内バルーンパンピングのタイミング不全による影響についてまとめてみました。
第1段は、2020年度 補助人工心臓管理技術認定試験対策の試験対象の学会についてまとめました。
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しかし、現時点ではコロナウィルスの影響でそもそも試験が開催されるか危うい状況です。学会より開催時期を検討中との情報がありました。
本日は、大動脈内バルーンパンピングのタイミングについて問題を提出します!!
問題:大動脈内バルーンパンピングのタイミングについて正しいものはどれか?
(1)過度に早期の拡張は僧帽弁閉鎖不全を起こす
(2)過度に早期の収縮は後負荷を増加させる
(3)過度の拡張遅延は前負荷を減少させる
(4)過度の収縮遅延は後負荷を増加させる
(5)適切なタイミングは収縮期圧上昇によって判断する
a(1)b(2)c(3)d(4)e(5)
解答;
d(4)
解説
大動脈内バルーンパンピングのタイミング調節は、バルーン拡張開始は心電図でのT波の頂点もしくは動脈圧波でのディスティックノッチに合わせる。バルーン収縮開始は、心電図でのP波の終わりもしくは動脈圧での拡張期末期圧最低時に合わせる。
(1)過度に早期の拡張は、大動脈弁の閉鎖前に大動脈圧を上昇させて、左室内の後負荷を増大させる可能性がある。
直接的に僧帽弁閉鎖不全を引き起こすことはない
(2)過度に早期の収縮は、拡張期血圧上昇時間の短縮を来す可能性がある。急速な大動脈低下によって冠動脈からの逆行性血流を生じて、心筋虚血を誘発する可能性もある
(3)過度の拡張遅延は拡張期の大動脈圧上昇効果が小さくなり、冠血流の増加効果も小さくなる。左室前負荷に影響を与えない。
(4)過度の収縮遅延→次の心周期でバルーン拡張に抗うように拍出する必要があり左室後負荷は増大する
(5)適切なタイミングによって左室拡張期圧は増加、拡張末期圧 次の心周期の収縮期圧も低下する。
大動脈バルーンパンピングタイミング不全のまとめ
早期拡張
→左室の後負荷を増大させる(大動脈弁が閉まる前に血流を増やすため)
早期収縮
→心筋虚血(大動脈圧低下→冠動脈→逆行性血流)
拡張遅延
→大動脈上昇の効果なく、冠血流↘️
収縮遅延
→左室後負荷上昇⬆️
まとめ
本日は、大動脈内バルーンパンピング(IABP)のタイミング不全についてまとめてみました。やはりイメージをしつつ問題を解くことが良いかと思います。
今回、ブログで記載したことはICUで働く若手看護師さんは覚えておいた方が良いかもしれません!私が先輩なら質問すると思いますよ!
次回のブログでは、大動脈バルーンパンプピング法(IABP)について簡単に記事を作成しました。
今回の解説で理解が難しいと感じる方がいればアクセスをお願いします!
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