おしどり夫婦T&A

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若手看護師でも分かる、大動脈バルーンパンピングIABPの効果、観察項目

こんにちは、医療者のT&Aです。新人看護師が入職することによって若手看護師の方が機械サポートをみる機会が増えたのではないでしょうか?

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明日から使えるIABPの看護
今回、IABPの効果や合併症、観察項目の根拠についてまとめていました。
若手看護師の方は、先輩からどんなことが聞かれるのかな?間違ったらどうしよう。と不安に思われる方が多いのではないでしょうか?
そこで、先輩ならここを質問するだろうという視点で本ブログは記載しています。
また、前回のブログでは大動脈バルーンパンピングのタイミング不全による影響を記載しています。そちらも、正しい波形かどうか?タイミングがずれたらどんな影響があるの?と若手目線で記載しています。
www.xn--xck3a0aq6hnc9eydz514duksd.tokyo

大動脈バルーンパンピング法(IABP)とは

大動脈バルーンを収縮、拡張させるデバイスです。

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IABP イメージ画

挿入部位

通常、鼠径部(動脈)から下行大動脈まで逆行性に留置します。

正しい留置位置

鎖骨下より-2cmと言われています。
受け持ち時には、白色ポチが前日XPと比較して位置のずれがないか確認しましょう。

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https://radiopaedia.org/cases/intra-aortic-balloon-pump-4

心補助効果は15−20%

心筋梗塞後の患者に留置されてくることが多い印象です。

ほんで、IABPはどんな効果があるの??

バルーン収縮による効果
→後負荷を軽減⬇️
→心筋仕事量の軽減
バルーン拡張による効果
→冠動脈への血流増加⬆️

ポイント
冠状動脈は、大動脈基部から心臓の表面を走行。
心臓が拡張している間、大動脈から血液は冠状動脈へと流れる。
ここが理解できていない方が非常に多い!!
冠動脈への還流は、拡張期に血液が流れます!!

心臓が収縮するときにバルーンが閉じること(デフレーション)で、大動脈には急激な陰圧がかかります。この陰圧により、血液は心臓から全身へと楽に引き出され、心臓の負担を減らして血液を押し出す機能を助けます。

IABPの適切な拡張、収縮のタイミングは?

拡張タイミングは大動脈圧波形のdicroticnotchに合うように調整する。

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http://www.jseptic.com/ce_material/update/ce_material_11.pdf

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タイミングのずれによる人体への影響は、こちらを参照ください。
www.xn--xck3a0aq6hnc9eydz514duksd.tokyo

IABPの合併症は?

バルーン挿入側下位の重篤な下肢虚血
重篤な動脈壁の損傷・穿孔
動脈解離・仮性動脈解離
血塞栓
感染
重篤な出血・血腫
バルーン破裂によるガス塞栓

色々ありますが、臨床で重要な項目のみ解説します!

①下肢虚血

⇒鼠径部よりカテーテルを挿入するため、血管径に対しカテーテル挿入により血流不全が起こってしまいます。
ちなみにIABP径は、7,5-8Fr Fr=0.3mm

観察項目

足趾の色調、末梢循環、冷感の有無、チアノーゼ?ドプラーで聴取

②動脈損傷

カテーテル挿入による損傷を来します

観察項目

Hb低下、腹痛、バルーン駆動

③腓骨神経麻痺の有無

⇒ベッド上で過ごすことが多くなり、下肢を外旋して安静を保つことで腓骨神経麻痺を引き起こす危険性があります。

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腓骨神経麻痺

観察項目

麻痺の有無、冷感、しびれ
参照URL
8.腓骨(ひこつ)神経障害|日本脊髄外科学会

3点ほどは非常に重要な合併症および観察項目、看護ケアになります。

本日は、若手看護師でも分かる大動脈バルーンパンピングIABPについてまとめていました。私があなたの先輩なら上記している内容については最低限質問すると思いますよ!