こんばんは、皆さんは行動経済学について詳しいでしょうか?
ここ数年で、行動経済学に関する書籍が増えているなぁ
と感じていました。私は、医療現場で働いており、日々判断を行い最適な医療、ケアが提供することが出来ているか?を考えてています。
時には、人間だれしもさぼりたいという気持ちもあります・・・
何か、医療現場と行動経済学に関しての文献はあるのか?と調べたら!なんとありましたので、ご紹介したいと思います。
まず、そもそも行動経済学とは?youtubeで調べてみました。
www.youtube.com
www.youtube.com
そして、文献はこちらGOOGLEで検索でPDFが落とせます!!
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbef/11/0/11_110/_pdf


要約はこちら
1. 患者の意思決定特性 ✨
🎲 リスク選好
リスク回避的な人は、禁煙・予防行動・治療継続に積極的である傾向。
ただし、乳がん検診のように予防自体にもリスクがある場合、リスク回避的な人ほど受診しにくいという逆説的な結果も報告されている
⏳ 時間選好(時間割引・現在バイアス)
将来の利益に対する時間割引率が高い人や「先延ばし」の傾向が強い人は、禁煙や定期検診・薬の服用などを先送りにしやすい
一方で、予防行動については時間選好の影響は比較的小さいとのメタ分析結果もある 。
2. ナッジを活用した介入研究
2.1現在バイアスへの対抗策
目先のインセンティブ提供:金銭的報酬(例:宝くじ形式)の付与により、減量や薬の服用遵守率が大幅に向上
損失フレームの活用:「やらないと損」という表現が動機付けに効果的。ただし常に最強というわけではなく、文脈や他の施策との組み合わせで効果が変動
コミットメント手段:予約日時やフォームへの記入で、行動の先取りコミットを促すと、ワクチン接種率やキャンセル率に影響を与える
2.2 デフォルト設定の変更
オプト・インからオプト・アウト形式への切替により、インフルエンザワクチンの接種率が約10%向上
緩和療法 vs 延命治療の選択においても、デフォルト設定により緩和療法の選択が77%→60%に変化
3. 医療者への応用も進展中
医師は患者よりもリスク回避的で時間割引率も低く、利他性も高い傾向がある
処方時に抗菌薬の正当性説明を求める仕組みや、同僚との比較フィードバックを導入したところ、不適切な処方がそれぞれ7%、5.2%減少
ただし、介入の効果が続かない例もあり、長期的かつ安定したナッジ設計の重要性が提言されている
4. 今後の展望
患者・医療者両面における行動特性の解明と、予防行動や医療判断など対象トピックの多角化。
医療従事者を対象としたナッジ設計の深化と、効果持続を目指した制度・デザインの構築 。
✅ 総括
この論文は、行動経済学の手法(バイアス理解・ナッジ設計)が医療現場でどのように応用されてきたかを広範にレビューしています。特に「目先の報酬」、「損失フレーム」、「コミットメント設定」、「デフォルト選択」の4つのナッジが実際の現場で有効に機能したことを、数々の実証研究をもとに示しています。今後は、より複雑な医療判断を支援するデザイン開発や、長期的な効果が続く仕組みづくりが求められています。
ナッジ理論

https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/000500407.pdf
これも、今後の医療現場で活用できそう