「臨床現場で業務がうまくこなせない新人医療者」の理解と支援
著:川上ちひろ
こちらの文献では、集中治療室での勤務に憧れて入職した新人看護師が抱える課題について、本人の特性を理解するための一助となる文献である。
集中治療室で求められる素早い判断と治療に対し、業務遂行が上手くいかない対象者に焦点を当て、環境要因、個人要因で分析されている。
発達障害傾向、双極性障害など特性に応じた職場支援が求められる時代に。しかし、本人も自分の特性は理解する努力はしなければならない。
以下、私のメモである。
分析の方法は、環境要因と個人要因に分け考えること。
環境要因
1:性格と環境の齟齬
本人は、ICUで働くことが憧れていた。
実際、臨床で働くために考えなければならないとこは??
性格特性や得意な業務とには齟齬がある。
職場不適応=ミスマッチ
どう対処すれば良いのか?
大学や専門学校での講義や実習、教育者との日々の関わりの中で時間をかけて見極め、本人自身も自覚していく必要がある
その前に?
高校時代から将来を見据えた専門性を考えておこう。
個人要因は?
職場のストレス?心理的安全性が保たれていない環境ではパフォーマンスを発揮する事が難しい。
しかし、
仕事以外の要因をルールアウトする必要がある。仕事以外の要因とは?
家族、友人、パートナーといったプライベートは順調か?
※厚生労働省によれば、家族の世話がある者は修学や睡眠時間に制限があり、欠席や忘れ物、提出期限の遅延等が増加する傾向が示唆されている※
入職後の介入は?
職場(領域)選択におけるミスマッチ⇒仕事ができない!?⇒性格と能力と現在求められている業務内容が合っていないという視点を持つことが求められる。
周りが理解を示すと共に
本人へ
⇒自己理解を促す関わりが必要!!
では、どうすれば自己理解を促す関わりが出来るの??良いの?
1:自身の性格や資質に関する評価を聞く
2:周囲の評価と照らし合わせる
3:職場で求められる資質や能力
一致不一致を明らかにし、自他認識の差を解消すること、これがヒントになる。
最終は?配属先や勤務先を変更することになるかも知れない
②臨床心理学の視点
1:精神症状(双極性障害)
2:認知機能
短期間集中型⇒ほとんど寝ずに課題をこなしていたというエピソードから想起されることは?
⇒DSM-5 軽躁エピソードが疑われる
双極性障害とは⇒一時的に情報を貯蔵して作動記憶(ワーキングメモリ)の容量が聴覚・資格いずれにおいても少なくなっており注意が持続できない傾向にある
特性として、
マルチタスク、タイムマネジメントの難しさ
言われたことを忘れてしまうことがある。
看護師の仕事は、
複数の情報を同時に考慮しながら動いていく=作動記憶の容量が問われる作業が必要
神経発達、認知機能の視点で分析
発達障害⇒注意欠陥、多動;ADHD
不注意(気が散りやすい、忘れやすい)
衝動性(思いつくままに行動する)
多動性(じっとしていられない)
看護の仕事で当てはめると?:深く考えずに行動してしまう
練習などの準備をせずに、本番をやってしまう
振り返りをしても??
⇒まるでなかったかのように忘れてしまう
何度いっても覚えていない!!
イライラ😖😖
看護師はどんな業務や領域でもマルチにこなせることが求められがち
何かに特化して能力が発揮できる環境や新しい仕事をつくることも必要か?